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しゅんそくになりたい開発者です。

YAPC::Kyoto 2023 ベストLT賞をいただいた話

ABSTRACT

YAPC::Kyoto 2023というカンファレンスに参加しました。カンファレンスやイベントに参加することは横のつながりを得ることや異なる分野の知識の共有をするにあたって重要です。私が所属するPR TIMESでもエンジニアとして成長するために参加・登壇が推奨されています。今回前日祭のスポンサーLTと当日のLT大会に登壇し、後者はベストLT賞に選ばれました。この記事では私の経験をお伝えします。

 

INTRODUCTION / BACKGROUND

カンファレンスとは一般的に規模の大きい会議のことを指しています。今回参加したYAPC::Kyotoはソフトウェアエンジニアリングの領域において国内で有数の規模のカンファレンスになります。(以下公式から引用)

YAPCはYet Another Perl Conferenceの略で、Perlを軸としたITに関わる全ての人のためのカンファレンスです。 Perlだけにとどまらない技術者たちが、好きな技術の話をし交流するカンファレンスで、技術者であれば誰でも楽しめるお祭りです!

 

LT(Lightning Talk / Lightning Talks)とは5分以内という時間制限のあるプレゼンテーションです。YAPCでは時間を過ぎると恒例のドラがなり強制的に終了します。

 

テーマが決まっていれば、テーマに沿ったLTをすることが望ましいです。今回のスポンサーLTでは「something new」、LT大会では「try / catch」 というテーマがありました。

 

PREPARATION

1. トピックの選定

スポンサーLTでは事前に投票することが求められていませんでした。そこで仕事に関わる内容で話したいことをスライドにまとめて自分が話したいことを探っていく方式で決めていきました。その結果「文字コード自然言語処理を使ったアプリケーションに与える影響」を話したいと考えているとわかり、テーマが決まりました。

以前uzullaさんがPR TIMESの社内イベントで講演をしてくださったときに質疑応答でスライドを作った後練習で喋ったものを記録し「自分が本当に話したいこと」を探るというやり方を教えていただきました。この時の体験を参考にしています。

一方でLT大会の方は事前にトピックの提出が求められていました。この話はcatatsuyさんからslackで教えていただいたのですが、一週間ぐらい考えていたと思います。方針としては以下のことを考えていました。

  • 流行を取り入れたい
  • 独自の内容かつ技術的に価値のある内容にしたい

流行を取り入れたかった理由としては私が無名のプログラマだったからです。YAPCのLT大会には名だたるソフトウェアエンジニアが参加するので、聴衆の興味を引くトピックでなければ私の時間が「休憩時間」になってしまうことは容易に想像できました。そこで流行りのChatGPTを使うことを決めました。

しかしながら、流行のトピックは独自性がないとありきたりのつまらない内容になってしまいます。(それこそ「ChatGPTで良い」となってしまう) どうやって独自の視点を入れるか悩んでいたのですが、一週間ぐらいした時に自分の仕事と関連づけてみることを思いつきました。幸い、私がインターンでやっている内容はWebに自然言語処理を実装するためにインフラ基盤を作るという比較的珍しい内容でした。そこでChatGPTに文字コードについて考えさせるという内容で投稿したところアクセプトされました。

 

2. 内容の決定

スポンサーLTの方は、話したい内容から作ったのでそれをそのままスライドにしました。LT大会は前述の要請からトピックを作成した関係上テーマが抽象的になったため、実際の質問文を考えることに苦労しました。

 

3. スライドの作成

スポンサーLTのものはPR TIMESの若手代表という意味合いがあったのでスライドは落ち着いた色・フォントで統一しました。

 

docs.google.com

 

一方で、LT大会の方は個人出場かつ前述した理由から目立ちたかったのでグラデーションを使った現代風のスライドにしました。

YAPC::Kyoto 2023 LT @KRP 「ChatGPTと文字コード」

 

LT大会のスライドのサムネ

 

前日祭のスライドですが、3回書き直しています。こちらはボツになったものの一つです。

ボツになった案のサムネ

 

THE EXPERIENCE

1日目は15:00からスポンサーLTでした、会場入り後にはuzullaさんやcatatsuyさんに挨拶して自分の出番を待っていました。前日祭でしたが、人数が多く、danさんのLT中のツッコミが入るなどして会場の熱気は十分でした。緊張していたことを覚えています。自分で言うのもどうかと思いますが、あまりうまく話せなかったと思います。5分間という制限があり、実際に途中終了する例もあったため早口になり、聴衆の反応を見ながら話すことが全くできていませんでした。そのLTで印象に残ったのはArthurさんでした。節回しや聴衆の心を掴む力がずば抜けて高く、発表中、会場に常に笑いが溢れていました。

転機はその日の懇親会でした。HelpFeel株式会社さん主催の懇親会で過去のLT登壇者や明日の登壇者のお話を聞くことができました。その中で「たとえ失敗したとしてもそのことを明日まで覚えている人はいない。良い発表だけが何十年も人の記憶や心に残っていく」「だから肩の力を抜いて、自然体に話そう」と言う話が心に刺さりました。

2日目の午前は原稿をしていました、1日目のスポンサーLTで分かったのですが、スライドの枚数は15枚~20枚でも一枚あたりの内容をしっかり絞れば十分伝わることが分かったからです。また、内容も少し砕けた部分を増やしました。これも先日のLTから聴衆を惹きつけるのに笑いの要素が有効だと感じたからです。

午後にはこのような投稿をしていますが、実際にはLTの合間や休憩時間などを使って作業しており、最終編集は17:50頃でした。

 

LT大会登壇前、時間が4分になったことを知りました。焦りましたが、元々核となる話以外にPR TIMESでの実践例を1分ほど話す予定だったためそこを削ることにしました。発表の冒頭で「先程、時間が4分と知りました土屋です」と話したのですが、このタイミングで思いつきました。

2日目の発表では聴衆の反応を少しだけ見ながら話せたかなと感じました。100人を超える聴衆の前で落ち着いて話せたことは大きな収穫の一つでした。

 

THE AWARD

ベストトーク賞(あらたまさん)の後にベストLT賞が発表されるのですが、なんと私の名前が表示されていました!

 

素晴らしい数々のLTの中から選んでいただき大変光栄に感じております。

 

REFLECTION

今回の経験を通じて人前でプレゼンテーションを行うことについて認識が大きく変わりました。ですが、まだまだ聴衆の反応を見て話すことに関して半人前であると自覚しています。今後も登壇を続けてuzullaさんのようなスピーカーを目指したいです。

 

CONCLUTION

緊張したYAPC初登壇でしたが、良い結果を得ることができました。まだ正式に決まってはいませんが、来年度はスタッフとより長いトークに応募し、YAPCに貢献したいと考えています。この記事を見てくださっている皆さんも是非YAPCに参加してみてください!

 

謝辞

開催していただいたスタッフの皆様、スポンサーの皆様、参加者の皆様、大変貴重な発表機会をいただきありがとうございました。今回のYAPC参加、登壇にはcatatsuyさん、uzullaさんをはじめとするPR TIMESのチームのおかげです。この場を借りて感謝の気持ちをお伝えさせていただきます。